
小学4年生の双子娘と、家族みんなで「極地研探検2025」に行ってきました!
イベントの感想レポートと、会場となった東京都立川市の「極地研究所」のご紹介をしたいと思います。
国立極地研究所の「極地研探検2025」とは?

国立極地研究所(東京都立川市緑町10−3)は、南極・北極の観測基地を保有し、極域の観測&総合研究をしています。
通常は併設の「南極・北極科学館」のみ、一般利用できるのですが…
1年に1日だけ、特別なオープンデーがあります。
それが「極地研探検」!
この日だけは通常公開されていない研究所内いっぱいに、研究員の皆さんが展示・解説・ワークショップなどをしてくれるという、スペシャルな催しです。
事前予約をすれば、特別な機械がある部屋に入ったり、ワークショップ体験なども可能です。
極地研究って、なんだろう?
極地研究って何をしているの?遠い場所での研究なんて、我々一般人の暮らしには関係ないんじゃない?と思われがちですが、実は身近な暮らしにも影響があります。
オゾン層を破壊するフロンガスが規制されたのは南極での観測のおかげですし、
短期間で頑丈な建物を築くプレハブ工法が発明されたのは南極の基地を作るため。
また、一世を風靡した「悪魔のおにぎり」は、南極基地の夜食として作られたものです。
※天かすと青のりの最高においしいおにぎり。

近年では「宇宙より遠い場所」などのアニメでも取り上げられ、南極観測船「しらせ」もかなり認知度が上がってきたように思います。
映画「南極料理人」や、テレビ大阪制作の連続ドラマ版「面白南極料理人」にハマった娘たちを連れ、
いざ極地研へ!
※ちなみに、映画より描写が濃い連続ドラマ版(浜野謙太 主演)はAmazon Prime Videoで配信中。原作エッセイ「面白南極料理人」(新潮社)も大変読みやすく、面白いのでおすすめです。
多摩モノレール立飛駅から歩く事20分。道が合っているかちょっと不安になってきたあたりで、きれいな建物と臨時の案内スタッフさんが見えてほっと一安心。
イベントポスターが貼られた入り口をくぐると、早くも家族連れからご年配の方々まで、たくさんの人で大盛況!

研究員の皆さんは各ブースで研究発表やご案内をしており、来館者の皆さんと楽しく話していました。
ちなみに研究員が着るお揃いのTシャツには、経験者のみ「南極経験者」「北極経験者」「両方経験者」のシールが貼られており、来館者のマニアックな質問にも気さくに答えてくれる仕組みです。
こんなにたくさんの人が極地に行ったことがあるんだ…という不思議な気持ちになります。
研究内容としては、オーロラ研究、地盤の動き、海氷、隕石、アイスコア(氷を柱状にくり抜いて過去の気候を調べる方法)、ペンギンなどの展示がありました。
天井からぶら下がるロープワークや、低温室体験などは予約制で毎年人気。
南極経験者によるトークショーは満席御礼で入れませんでした!
【国立極地研究所見学】日本最多の17,000個の隕石

1番印象的だったのは、隕石研究です。
実は、世界で見つかった隕石のうち6割が南極での発見です。白一面で隕石を見つけやすい南極では、今までに45,000個以上の隕石が発見されています。
そのうち日本最多の17,000個の隕石を保有しているのがこの極地研究所です。(全然知りませんでした!)
イベント当日は5〜10分並べば色々な隕石をさわれて貴重なお話も伺えるし、好きな隕石のシールまでもらえて親子で大満足!
ちなみに、隕石がどの星のものなのかは成分解析で判断するらしいのですが、月の石かどうかの判断は、アポロの月の石のデータと照合したそうです。(1番大きな火星隕石は万博へ貸し出し中のため、レプリカ展示でした)

他にも、2万5千年の長い年月をかけてゆっくりと大陸の力で曲げられた岩など、たくさんの珍しい岩が展示されており、触り放題です。

【国立極地研究所見学】日本でも見られる!?江戸の記録に学ぶオーロラ体験
オーロラ研究ブースでは、江戸時代に日本で観測されたオーロラの記録について教えていただきました。
オーロラは日本でも見えるってご存じでしたか?
経度の関係で、色は赤く、クジャクの尾のように広がった形に見えるそうで、それが表れると吉兆とされていました。
暗室内の装置の中で人工的に再現されたオーロラや、プロジェクターで写された極地のオーロラの様子を大人は興味深く観察していましたが、子供は早々に「もう次行こうよ~」と落ち着かず。
ちなみにここでいただいた「江戸の判じ物(クイズ)カード」は、待ち時間の暇つぶしに大活躍してくれました。何かと飽きやすい子連れに、大変ありがたいお土産です!
きれいな研究棟はお手洗いもベンチもたくさんあって、小さな子供たちも休憩を取りながら回っている様子でした。

【国立極地研究所見学】これが南極の移動手段!スノーモービル体験
一通り研究棟を見た後は屋外ガレージに回って、巨大なコンテナやスノーモービルの展示エリアへ。
屋外ガレージ内では、天井から吊るされた縄を上り下りする体験ワークショップも実施していました。
(極地で万一クレバスに落ちたら、縄一本を使って自力で這い上がらないといけないので、探検隊の方は雪中危機管理訓練を受けています)
ここで2人乗りのスノーモービルに乗って記念写真を撮りました。
「スノーモービルには左右のウインカーはないし、大きな風防もないんですよ。グッと顔の雪をぬぐって進みます」という何気ないスタッフさんのコメントに、広大な雪原を自由に走るワイルドさを感じますね。

【国立極地研究所見学】南極観測隊の巨大コンテナと“3万年前の氷”のロマン
調理師ブースのバックヤードには、次期第67次南極観測隊のための荷物も積み上がっていて迫力がありました。
とってもおいしそうなご飯の写真ばかりでしたが、お酒やお菓子などの嗜好品も大量に持って行くそうです。
特にポテトチップスやうまい棒は何千個も確保するとのこと。こんなに大きなコンテナが必要な訳がよくわかります!


帰国時、食料品の入っていた巨大な空きコンテナには、基地周辺などから氷をたくさん詰めて持って帰って、こういったイベントに活用したり、お土産として配ったりするそう。
南極の氷をコップの水にいれて耳を澄ませてみると…
プチプチという泡がはじける小さな音がいくつも聞こえます!
これは、氷に閉じ込められていた3万年前の空気が外に出てきた時の音です。ロマンを感じますね。

南極・北極科学館も満喫!ペンギン視点の映像や展示で最後まで楽しめる
最後に、通年開館している科学館をぐるっと回って終了。
ここでは、実際の基地の部屋を再現したコーナーや、南極北極に生息する生き物のはく製などもあります。
はく製はちょっと怖い…という怖がりな娘も、明るい雰囲気のコーナーなので「ヒナがかわいいね」と興味深げに見ていました。
(巨大でリアルなペンギンのぬいぐるみも展示されており、なでることができます)

なお、シロクマのはく製はあまりにも巨大で「こんなの会ったら絶対逃げられない。無理。」と怖がっていました。

バイオロギング(捕まえた動物に小型カメラを付けて暮らしを記録する方法)で撮られたペンギン動画も、展示で流れていました。
仲間ペンギンの横で飛ぶようにスーッと海を泳ぐペンギン視点の映像は、自分たちもペンギンになったようで気分爽快。
『ペンギンになってみようVR体験』を作ってほしいね~と娘たちと盛り上がりました。
研究棟はやや難しめの本格的な解説が多く、小学生低学年くらいの子どもにはちょっと難しい感じでしたが、それでもやはり本物を見るのはおもしろい体験です。
それに、こんなにたくさんの大人たちが、「自分たちはこんなことを研究しているんだよ!おもしろいでしょう?」とニコニコしてお話してくれる体験は、子供たちにとってなかなか得難いものではないでしょうか。
テンションの高い母を冷静な目で見ていた娘たちも、いずれわかってくれるでしょう。
娘たちが喜んだのは、アンケート景品の特別シール。
こちらは箔押しで有名な印刷工房・コスモテックさんによる特注品で、SNSでも話題になっていました!
シール大好きの娘たちは、さっそくスマホカバーに入れてご満悦です。
「今日は楽しかったね~!」と親子で大満足の一日になりました。

ここから南極へ!?極地研究所で広がる未来の選択肢
総合研究大学院大学 極域科学コース
さて、そんな極地研究所ですが、実はこちらは大学院生の方も通っています。
というのも実はこの研究所には、「総合研究大学院大学 極域科学コース」も設置されているんです。
「総合研究大学院大学」とは、日本の大学共同利用機関が連携・構成する大学院大学のこと。進学すると、国立研究所などの施設を利用して研究が可能だそう。
つまり、こちらに在籍した大学院生は、今まさに極地研究をしている場所で最先端の研究に触れながら学べるのです。
しかも在籍中に南極・北極に観測に行くことも可能!
極域科学者(フィールドサイエンティスト)養成にも力を入れる、極地研究所ならではの学生生活が送れそうですね。
https://www.nipr.ac.jp/soken/
教員南極派遣プログラム
ちなみに、南極に行けるのは学生だけではありません。
日本では「教員南極派遣プログラム」という取り組みがあるため、現役で小・中・高等学校等の教員をされている方は特別枠で行けます。
4か月間滞在し、南極の昭和基地からオンラインで「南極授業」をお届けするそう。
自分の担任の先生が南極から授業をしてくれるなんて、考えただけでも大興奮ですね。
https://www.nipr.ac.jp/antarctic/outreach/dispatch.html
WEB広報誌やインタビュー記事もとてもおもしろいので、ぜひ!
南極観測隊インタビュー記事を見ると、南極に行きたいと思ったきっかけは本当に人それぞれ。
今回遊びに行った「極地研探検2025」も、親子で極地に興味を持つ良いきっかけになりますね。
広報誌「極」PDF版
https://www.nipr.ac.jp/pr/#pamphlet
インタビュー記事
https://www.nipr.ac.jp/science-museum/archive/interview/
次回「極地研探検2026」は2026年10月3日(土)開催予定!
なお、次回「極地研探検2026」は2026年10月3日(土)開催決定!
今年は南極観測70周年ということで、特別コンテンツも用意されているとのこと。事前情報をご確認の上、ワークショップのご予約はお早めに!
さらに2026年7月1日(水)~9月27日(日)には特別展「大南極展」を日本科学未来館にて開催予定。
スペシャルイヤーの今年、ぜひ親子で南極を体感してください!
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