「誕生50周年記念 ノンタン ずっとともだち!!!」展の様子

「ママ、ノンタンのおうちに入れるよ!」

 展示室へ入るなり、5歳の娘は目を輝かせて走り出しました。今回訪れたのは、JR立川駅から徒歩10分ほどにあるPLAY! MUSEUMで開催中の「誕生50周年記念 ノンタン ずっとともだち!!!」展です。

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「誕生50周年記念 ノンタン ずっとともだち!!!」展の様子2

 実は私自身、子どもの頃にノンタンが大好きでした。何度も絵本を開いては、ノンタンやタータン、ぶたさんたちと一緒に遊んでいるような気持ちになっていました。その絵本を、今は娘達が夢中になって読んでいます。

 親子で同じ絵本を好きになり、その世界へ一緒に入り込める展覧会が開かれると知り、「これは絶対に行きたい!」と開催を楽しみにしていました。今回は、私の幼なじみ親子と一緒に訪れました。

 「見る」だけではなく、「遊ぶ」展覧会

 近年、美術館では人気絵本の原画展が数多く開催されています。もちろん原画を鑑賞できることは大きな魅力ですが、今回の展覧会で印象的だったのは、体験できる展示が非常に多かった点でした。

PLAY! MUSEUMの外観

 PLAY! MUSEUMはもともと「体験すること」を大切にしているミュージアムですが、その特徴がノンタンの世界ととても相性が良く、まるで絵本の中へ飛び込んだような空間が広がっています。

 子どもはもちろん、大人まで自然と笑顔になってしまう展示ばかりでした。

「誕生50周年記念 ノンタン ずっとともだち!!!」展を楽しむ女の子の後ろ姿

私自身の原点を思い出した時間

 展示を見ながら、ふと子どもの頃のことを思い出しました。私の父は内装デザインの仕事をしており、幼い頃から父が手掛けた美術館や展示へ連れて行ってもらう機会がたくさんありました。

 その中で今でも鮮明に覚えているのは、ただ展示を見るだけではなく、「触る」「作る」「体験する」といった体験を伴う展示ばかりです。

「誕生50周年記念 ノンタン ずっとともだち!!!」展の様子3

 不思議なことに、作品を”見た”という記憶よりも、”体験した”記憶の方がずっと心に残っています。だからこそ今回のノンタン展も、夢中になって遊んでいる時間そのものが、この子にとって将来まで残る思い出になるのかもしれない、と感じました。

「誕生50周年記念 ノンタン ずっとともだち!!!」展の様子4

ノンタンの世界に飛び込もう!

 展示は「ノンタンの夢の中」「ノンタンをお祝いする」「ノンタンと遊ぶ」という3つの章で構成されています。

 入口では全長約2.5メートルの大きなノンタンがお出迎え。「わぁ、大きい!」と娘も思わず駆け寄っていました。

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「誕生50周年記念 ノンタン ずっとともだち!!!」展を楽しむ女の子たち

 会場にはバースデーパーティーをイメージした高さ約150cmの巨大ケーキが登場し、ダンボールアーティスト・儀間朝龍さんや、レゴ認定プロビルダー・三井淳平さんによる作品も展示されています。

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写真映えするだけではなく、「ここで遊びたい!」と思える空間づくりが印象的でした。

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一番のお気に入りは「ノンタンのおうち」

 娘と幼なじみの娘さんが一番長く遊んでいたのは、『ノンタンのおうち』というペーパークラフト絵本の体験コーナー。絵本の世界そのままの空間に入り込んでごっこ遊びができるため、二人で夢中になって遊び続けていました。

 「次に行ってみよう」と声を掛けても、「まだ遊びたい!」と動かないほど熱中していました。親としては、「これだけ楽しんでくれるなら連れてきて良かった」と思えますね。

「誕生50周年記念 ノンタン ずっとともだち!!!」展の様子6

大人だからこその感動も

子どもたちが遊んでいる間、私は原画を鑑賞しました。

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特に心を動かされたのは、シリーズ第1作『ノンタンぶらんこのせて』より前に描かれた、『あかんべノンタン』の原型となる作品『あかんべきつね』の原画です。

「誕生50周年記念 ノンタン ずっとともだち!!!」展の様子8

「ノンタンは最初、キツネだった」。そんな制作秘話を初めて知り、とても驚きました。

「誕生50周年記念 ノンタン ずっとともだち!!!」展の様子9

 長年親しまれてきたキャラクターにも試行錯誤の過程があり、そこから現在のノンタンが生まれたことに感動しました。また、キヨノサチコさんが作品へ込めた思いも紹介されており、読み進めるうちに胸が熱くなりました。

 ノンタンは「良い子」ではありません。いたずらをしたり、失敗したり、けんかをしたり…。でも最後には相手を思いやり、「ともだちっていいな」と感じられる物語ばかりです。

 子どもに寄り添いながら、そのままを受け止めるキヨノさんの温かなまなざしに、私自身も励まされました。そして、今回私の中学生の頃からの同級生と、その娘さんと一緒に来られたことも嬉しかったです。

「誕生50周年記念 ノンタン ずっとともだち!!!」展でノンタンの靴下を履いた子供

絵本は、親子をつなぐ文化体験

 最近、娘と一緒に劇場や美術館へ出かけて感じる事がたくさんあります。今回改めて感じたのは、絵本は読むだけでは終わらないということです。家で読んでいた物語の世界へ入り込み、実際に遊び、体験し、親子で感想を話し合う。そんな一日を過ごすことで、絵本は「思い出」へと変わっていきます。

 そして、その思い出は親から子へ受け継がれていくのかもしれません。

 私が子どもの頃に夢中になったノンタンを、今は娘が大好きになり、一緒に展覧会を楽しんでいる。その時間は、私にとってもかけがえのない宝物になりました。

 この展覧会は、ノンタンが好きなお子さんはもちろん、かつてノンタンを読んで育った大人にもぜひ訪れてほしい展示です。

「誕生50周年記念 ノンタン ずっとともだち!!!」展の様子12

親子で笑って遊びながら、「ずっとともだち」の意味を、きっとそれぞれの形で感じられると思います。