東芝未来科学館GW特別イベント【 世界一やさしいプログラミング教室 】に向けて考案した、2つのワークショップとその工夫点
幼児からでも簡単に作ることができ、ロボットを作った後に『プログラミングボードゲーム』でゼンマイロボを歩かせ、遊びながら学習できることが特長です。
この『作ろう!ゼンマイロボ』を完成させるまでに重ねた工夫をご説明させていただきます。
原体験として『楽しい』という気持ちが生まれなければ記憶にも留めてもらえないので、「ロボットを作る」工作と、「ロボットを動かして遊ぶ」プログラミング学習を兼ね備えることで、『楽しんでを学習できる』という根本の問題をクリアしました。
子供たちは、自分の手でじっくりと時間をかけて自分だけのオリジナルロボットを作るため、完成したロボットに愛着を持ち、そのロボットがゼンマイで動くことで好奇心を刺激され、更なる愛着を抱いてくれます。
自分のロボットに愛着を持ってくれることで、遊びにも熱が入り、自然とゲームのルールである『プログラミング』のことを覚えようと取り組んでもらえます。
このように、『プログラミング学習』をするには、工作のようなアナログからのアプローチでも可能だと思いついたのです。
プログラミングは簡単に言えば「こうしてね」という『指示』なので、「みぎをむく」「ひだりをむく」など、ボードゲームのサイコロを『向きの指示』として落とし込みました。
更に、サイコロを振ったあと、ロボットのゼンマイの巻き具合を調整して行きたいマス目まで進ませることで、『巻き具合=移動距離』を学ぶことができます。
子供たちは、がんばって目的地を目指すことで、『向き』と『移動距離』を遊びながら学習することができるのです。
会場でゼンマイのロボットを工作して、ボードゲームで遊んで終わり……だと、ちょっともったいないですね。
なので今回は参加してくれた方に、持ち帰ってボードゲームを楽しめる『オリジナルマップシート』と『オリジナルサイコロシート』をプレゼントし、イベント帰宅後も遊びながらプログラミング学習できる仕組みを考えました。
自宅という日常の中での遊びや、友達の家での遊びなど、身近なところに『プログラミング』があることで、自然と学習ができる環境に変えられます。
いつまでも自分のロボットを作り続けることで、ワークショップの満足感と、ロボットへの愛着が持続するよう考えております。
シールを使うだけで簡単にロボットを装飾できるので、自分の思い通りのロボットを作れる小さな達成感と成功体験を積み重ねることを可能にしました。
価格:50個¥74,000(税別/送料込)
ショーの途中で観劇している子供たちに選択問題を出し、子供たちが選んだプログラミングに沿ってメインキャラクターの『ピピ』が動くことで、結果を見ながら楽しく基礎を学習することができます。
プログラミングの成功と失敗を、自分の目と耳で体感的に学習できることが特長です。
この『うごけ!デキタテロボ』を作り上げるまでに、試行錯誤した工夫点をご紹介させていただきます。
こちらの『うごけ!デキタテロボ』では、プログラミングとショーがより子供たちの心と記憶に残るように、キャラクターデザイン・舞台設定・大道具・脚本などを総合的にプロデュースしました。
親しみやすいオリジナルキャラクター「ピピ」の着ぐるみ制作から、子供が好きなイチゴやケーキなどをモチーフとした舞台と大道具の作成など、キーとなるテイストとルールを決め、視覚的にも心を掴めるように全体のデザインを構成。
そのデザインを使用した本格的な舞台を組むことによって、部屋に入った瞬間から特別な空間を演出し、子供たちの気持ちや意識のセッティングを促し、プログラミング学習の敷居を低くしてショーを観てもらえるよう工夫しました。
シナリオの段階で試行錯誤し、ストーリーの中にクイズを盛り込むことによって、子供たちが参加しながら楽しんでプログラミング学習ができる内容を構成しました。
子供たちが選んだ指示通りにキャラクターが動くことで、子供たちにピピをプログラミングをした『操作感』や、得られる結果の『納得感』を与えられます。
問題は単純なものから徐々にレベルアップしていき、2つ以上の指示を使用した『組み合わせ』に発展させるなど、観ている子供たちが論理的な思考能力を働かせられるよう工夫しました。
途中、あえて失敗する動作を見せることで、成功までのトライアンドエラーと、失敗を楽しめる面白さを伝えることも試みております。
子供たちは楽しく参加してくれて、レベルアップした問題もすぐに解けるほど、内容とストーリーにのめり込んでくれました。
1つは『フルーツを集める』、もう1つは『数字を探す』というシンプルなテーマながら、異なるセットやBGMなどで様相を変えて差別化することで、学習できるプログラミングも違った味わいで学べるようになっております。
ストーリーの終盤にピピたちを阻むボスを登場させ、大きな困難を解決させる山場を作ることで、子供たちにライブ感とプログラミング選択に対する意識をより強く持てるよう仕組みました。
ショー自体のクオリティを上げるため、キャラクター「ピピ」の中に入る演者にはピエロやダンス講師などのパフォーマーさんを起用し、進行の助手役の方にはリポーターや歌のお姉さん経験者を起用するなど、プロフェッショナルが入ることによって一定のレベルを保ちつつ見応えがあって楽しめる内容に仕上げております。
日によって入れ替わる演者や助手役によっても内容のテイストは変わり、子供たちが飽きずにショーをリピートして観てくれることで、「プログラミングとは何か?」を復習できる結果となりました。
プログラマー認定証を与えることで、プログラミングに対する関心と、ちょっとした成功体験を加えることを試みました。
キラキラシールはストーリーごとに違い、別日にリピートしてくれた子供には、別種類のキラキラシールが貰える楽しみを設けてあります。
子供たちの手元に残るアイテムがあることで、イベント後にもショーの内容をリフレインさせ、ショーと学習した内容をより深く記憶に刻んでもらおうと考えたのです。
参考費用:約300万円~
こちらのコンテンツはパッケージ販売しておりません。
オリジナル新規開発イベントのため、ご希望の際はご相談ください。
そのお陰で多くの方の注目を集めることができ、1日6公演する8日間のショーで、リピーターの方を含め計約4000名の方にご来場していただけました!
『作ろう!ゼンマイロボ』との相互効果もあり、多くの子供たちがゼンマイロボを持ち、デキタテロボットの「ピピ」に興味を持ってショーを観に来てくれる様子も見られました。
プログラミング学習を観劇・参加型のショーとして企画した異色のワークショップでしたが、「親しみやすいキャラクターやモチーフを使って学習への敷居を低くする」「参加型のクイズで論理的思考能力を養う」「一定のクオリティと飽きさせない内容で興味を深める」ことが特長的といえます。
この工夫を施せば、舞台に限らず、ゲームやアニメなど、別の媒体でのプログラミング学習も可能かと思います。
難しそうな『プログラミング』というテーマを「どうすれば楽しく伝わるか?」ということに集中して企画立案し、複数のアイデアの中から2つの異なる方向性を持ったワークショップを選定。
提示されたテーマから様々な可能性を鑑み、条件やルールと照らし合わせ、シミュレーションを繰り返すことで、イベントに適したオリジナルワークショップを選び抜きます。
今回の場合は、2つのワークショップを違う方向にベクトルを置くことで、子供の興味と関心を幅広く持たせ、プログラミング学習への間口を広げました。
今までのプログラミングイベントといえば、小学校中学年以上の対象が一般的でしたが、東芝未来科学館の来館者は未就学児も多いという特長から、ワークショップを3才からでも楽しめて興味を持ちやすい内容にするため、幼児でもできる工作と、クイズを組み込んだ参加型のショーを制作しました。
「ピピ」という親しみやすいメインキャラクターや、遊び・参加することをシンボリックとし、敷居を下げて「プログラミングは楽しい!」と思ってもらえるよう注力しました。
「楽しかった」というポジティブな記憶は、学校などで改めて触れる際の苦手意識をなくし、学習意欲を高め、自ら率先して学ぶ行動に繋がると考えております。
企画を固める段階において、まず徹底して、ご依頼者のイメージから外れない内容の方向性確認からデザイン作り、子供たちに与えたいもの、与えられるものまでコントロールできるよう、しっかりとルールを決めております。
その上で企画アイデアのシミュレーションを繰り返し、仮定した内容の分析をして、企画の錬度と確度を高めていきます。
このような経験と実績を重ねることで、どのような施設のどのようなテーマにも沿ったオリジナル企画のアイデアを生み出すことができ、ワークショップのカスタマイズから新規作成まで幅広く対応できる体制を整えているのです。
プログラミング学習が楽しくて好奇心を満たすものになるよう、
ピコトンのワークショップでお力添えできれば嬉しいです。
今回、東芝未来科学館で行われた子供向けプログラミングイベントでは、
子供たちに「楽しかった!」という感想を多くもらえたため、
目的は達成できたかなと胸をなで下ろしております。
当日のイベントの様子を知りたい方は、以下の記事も併せてご覧ください☆