「メーデー」とは? どんな意味? どんな由来を持ったイベント?
メーデーとは、働く人々が権利を求めるために行う祭典のことを指します。
日本では「5月1日といえば、ゴールデンウィーク真っ最中!」というイメージが強いですが、世界的には「5月1日はメーデー」という祭典の日、という認識が主流です。
日本でも近年では、子供も含めた家族みんなでメーデーについて学べるイベントやショーなどを開催する企業も増えています!
しかし「メーデー」という言葉は聞いたことがあるけど、意味や由来までは良く知らない、という人も多いと思います。
そこで今回は、「メーデーとは? 意味、由来や経緯、行われている活動」などをまとめました。
「働くこと」とその権利について知って、子供の未来をより良いものにしていきたいですね◎
夏の訪れをお祝いする「五月祭」を意味する「メーデー」
「メーデー」とは、本来、五月祭(ごがつさい)を意味する言葉です。
五月祭とは、ローマ神話に登場する春の女神「フローラ」を讃える儀式に由来するとされているお祭りで、ヨーロッパではポピュラーなものです!
その起源は古代ローマにさかのぼります。
花と春を司る女神・フローリリア(Florialia)は、花冠を頭にのせた小さな像によって表されていました。
人々は、女神の像やその神殿に多くの花を飾り、春の到来を分かち合うお祭りとして大切にしてきたそうです◎
捧げられる「花」は春の象徴を意味しており、今後の収穫を願うために非常に重要な役割を担っていました。
さらに、お祭りのご馳走はなんと全てが緑色!
それもそのはず、緑は豊饒と木々の新緑を表していたとされています。緑が輝く5月1日ならではの意味が込められていますね◎
ローマ帝国が崩壊した後も、帝国の領土となっていた国々にはメーデーの伝統が残ったそうです。
イギリスでは特に、他国以上にメーデーを盛大に祝っていたとされます。
さらに、春の女神を讃えることに加え、夏の豊穣を予祝する祭りとしても考えられているそうです。
人々は、生き生きとした生命が芽吹く5月のこの日に、無病息災と豊穣を願ってきたようです◎
近年では、春の到来を祝う「子供向けのお祭り」ともされています!
いつから「メーデー」は労働者の祭典を意味する日に?
長らく「メーデー」は、労働者と使用者の双方が一時的に争うのをやめ、「五月祭」としてのメーデーを共に祝うのが慣習でした。
しかし近代に入り1886年5月1日に、現在の形でのメーデーに繋がる決定的な出来事が発生します。
現在でいうところの「アメリカ労働総同盟」(AFL)が、8時間労働制を要求する統一ストライキを行ったのです。
これにより、「五月祭」としてのメーデーは、現在の労働者の祭典としての意味を持った「メーデー」へと転化しました。
労働者の権利を求めて立ち上がった「ストライキ」がきっかけ
1886年5月1日に、合衆国カナダ職能労働組合連盟(後のアメリカ労働総同盟、AFL)が、シカゴを中心に8時間労働制要求(8-hour day movement)の統一ストライキを行いました。
この出来事が、現代主流となっている労働者の祭典としての「メーデー」の由来になっています。
そしてその4年後、1890年の当日、ヨーロッパ各国やアメリカなどで第1回国際メーデーが実行されました◎
メーデーの発祥地であるアメリカ合衆国をはじめ、メーデーとは異なる時期に「レイバーデー(労働者の日)」を定めている国々もあります!
日本では「メーデー」はどういった意味を持って広まった?
では、アメリカで起こったメーデーは、いつ日本で定着したのでしょうか?
日本におけるメーデーのきっかけは、今から120年ほど前に起こったとされています。
第1回国際メーデーが開催されてから約15年後の1905年(明治38年)に、平民社主催で開かれた茶話会(親しい人間の集い)が日本におけるメーデーの先駆けと言われています。
その15年後、戦後恐慌時の1920年5月2日日曜日に、第1回のメーデーが開催されました。
この第1回メーデーは、東京都台東区の上野公園にて行われ、約1万人の労働者「八時間労働制の実施」「失業の防止」「最低賃金法の制定」などを訴えました。
翌年からは5月1日の開催となり、開催地や参加人数も徐々に増えていったとされていきます。
1936年、メーデーの開催が規制された
しかし1936年、治安維持を目的とした「集会及多種運動の取締方に関する件」により、3月24日にメーデーの開催が禁止されました。
メーデー開催の禁止に反対する政党や組合らは、メーデー禁止措置反対行動を起こし、内務省や警視庁へ抗議しました。
4月27日には、山花秀雄が組合幹部個人の名義でメーデー実施を指令し、規模は大小あれど、当日は全国で様々な形の集会やデモが開催されたようです。
この年から1945年まで、日中間での戦争が激しくなったことにより開催されることはなかったようです。
1946年、11年ぶりに開催されたメーデー!
第二次世界大戦敗戦の翌年の1946年、11年ぶりのメーデーが盛大に行われました。
これは「食糧メーデー」または「飯米獲得人民大会」とも呼ばれます。
全国で100万人、東京の宮城前広場に50万人が集まった、非常に大規模なメーデーとなりました。
その後もメーデーは開催され、1985年の55回大会では、サブスローガンとして「週40時間制」、前年のメーデー祝日化の要求決議を引き継いだ「太陽と緑の週」の法制化など、労働時間短縮の実現が掲げられました。
2024年で、メーデーの通算回数は「95回」に!
1985年の55回大会では新たに「スポーツ祭典」が併催され、「お祭りメーデー」と呼ばれる家族ぐるみの行事に発展しました。
その後、労働組合の全国中央組織の再編により組織の対立が激しくなり、1989年以降は統一メーデーの開催ができなくなってしまいました。
その結果、日本労働組合総連合会(連合)と非連合系の全国労働組合総連合(全労連)や全国労働組合連絡協議会(全労協)による分裂開催となりました。
連合、全労連、全労協のメーデーは、いずれも1920年からの通算回数をカウントしており、2019年には90回目を迎えたとしています。
そして、2024年には第95回のメーデーが開催されます!
メーデーとは祝日なのか?
世界における5月1日の祝日化
メーデーは、国際連合などの国際機関によって定められた国際デーとなっています。
そのため、世界の少なくとも80以上の国はメーデーを祝日としています!
なお、5月1日ないし5月初旬のメーデーとは異なる時期に、祝日として「レーバーデー(労働者の日)」を設定している国々もあります。
アメリカ合衆国やカナダでは9月最初の月曜日、ニュージーランドでは10月の第4月曜日と定められています◎
日本における5月1日の祝日化
日本でも、5月1日の国民の祝日化の強い要望が存在します!
企業によっては、メーデーを会社の制定する休日としているところもあります◎
また、年間の休日数の調整をゴールデンウィークに充てる企業では、メーデーや周辺の日を休日として長期間の連休にする場合があるようです。
また、「メーデー」ではありませんが、日本では11月23日が勤労感謝の日となっています♪
緊急信号を意味する「メーデー」とは
メーデーは、これまでご紹介してきた意味に加えて、無線電話で遭難信号を発信する時に国際的に使われる「緊急用」のサインとしても、使われている言葉です。
この場合の「メーデー」は、フランス語の「ヴネ・メデ(venez m’aider)」、すなわち「助けに来て」に由来します。
「メーデー」を緊急用のサイトとして使う際は、聞き間違いを防ぐ目的に加え、「メーデー」と通信メッセージ内容とをしっかりと区別するために、3回繰り返す(メーデー、メーデー、メーデー)ことが一般的です。
一般に人命が危険にさらされているような緊急事態を知らせるのに使われ、警察、航空機の操縦士、消防士、各種交通機関などが使っています。
「メーデー」以外の労働にまつわるイベントとは
毎年2月に開催される「春闘」
春闘(しゅんとう)とは、賃金の引上げや、労働時間の短縮などといった労働条件の改善を交渉する労働運動のこと。
日本では、毎年2月頃から行われます。
企業別の労働組合が主流である日本においては、個々の企業ごとの労働組合の交渉力の差が大きい状態にあります。
「春闘」には、労働者側が団結し、各企業・各産業が毎年同時期に歩調をあわせ団結することで交渉力を高める狙いがあります。
「労働者の日」を意味する「レイバーデー」とは
レイバーデー( Labor Day)とは、「労働者の日」の意味を持つ言葉。
アメリカ合衆国の祝日の一つで、9月の第1月曜日と定められています。
レイバー・デーは、パレードを行うことで人々に「同業者・労働組合の強さと団結精神」を示し、労働者とその家族の祝祭を行う日。
1909年には、レイバー・デー前日の日曜日を「レイバー・サンデー」とし、労働運動の精神的、教育的側面のための行事が行われるようにもなりました◎
2024年のメーデーは5月1日! 親子で仕事についての教養を深めよう◎
ここまで、メーデーについてご紹介いたしました。
いかがでしたでしょうか?
働くことは、子供自身の未来にも直結する大切なこと。
どんな歴史の上に今の社会の形が出来上がっているかを知っていることは、自分と自分の大切な人の身を守ることにも繋がります。
そして「知っている」ことは、「考える」ことの土台になります。
お父さんお母さんの教養として、「働くこと」とその権利について知っておくことは、子供の未来を守ることにも繋がります◎
親子で「メーデー」のことをよく知り、より良い未来を作っていきましょう♪
まとめ:親子向けの企画はお気軽にご相談下さい。
親子向けイベント17年の実績を持つ株式会社ピコトンでは、全国で親子向けイベントを多数担当しています。
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