「非認知能力」とは?

「非認知能力」という言葉を聞いたことはありますか?耳にしたことはあるけれど、実際にイメージしにくい方も多いのではないでしょうか?

「非認知能力」は、わたしたちが感じる「幸福感」につながりがある大事な能力だと言われています。

子育ての中で「非認知能力」をどんな風に育んでいけるかをご紹介します。

非認知能力とは、見えにくいけれど生きる上で「重要な力」

木を見上げる子供たち
非認知能力とは、見えにくいけれど生きる上で「重要な力」

私たちそれぞれが持っている読み書き計算などの力は、学校や塾のテストで測ることができます。
目に見えやすく測ることのできる能力は「認知能力」と言います。

一方、学力検査や知能検査では測ることができない、人の心や社会性といったような能力の方を「非認知能力」といいます。

非認知能力が高い人は学ぶ土台がしっかりと出来上がっていると言われ、状況の変化にも強く、生き抜く力があると言われます。

「非認知能力」は見えにくいからこそ大切にしていきたい力で、数年前から注目され、学習指導要領でもその重要性が説かれています。

非認知能力の3つの柱

非認知能力には大きく分けて3つの柱があるといわれています。

〈1〉気持ちをコントロールする力

〈2〉人とかかわる力

〈3〉目標に向かって頑張る力

これらをもう少し具体的にすると

「自己肯定感」「自尊心」「自制心」「我慢する力」「共感力」「協調性」「意欲」「想像力」「粘り強さ」「やり抜く力」「目標を達成しようとする力」
となります。

これらの「非認知能力」はとくに幼児期に発達し、さらに学童期や思春期以降も発達していくと考えられています。

「非認知能力」というのは、私たちが社会で生きていくうえでとても大事な力です。

非認知能力を育むために必要なこと

遊具で遊ぶ女の子と男の子
〈非認知能力を育むために〉遊びは大切な「探索活動」

遊びは大切な「探索活動」

幼児期にもっとも発達するといわれる「非認知能力」
その「非認知能力」を培うのは「その子らしさ」を受け止め、「やりたいこと」を肯定される経験だと言われています。

子どもにとって、遊びは大切な「探索活動」です。
年齢ごとに自分の興味のあることに取り組むことは、その発達段階で出来ることを自ら探し、試行錯誤していく経験です。

また、自分の興味がある(=好きな)ことだからこそ、上手くいかなくても乗り越えようとする気持ちも起こり、別の方法に切り替えたりすることも学びます。これが「非認知能力」を育てることに繋がります。

遊びを通して身につける「自己肯定感」

砂遊びをする子供
〈非認知能力を育むために〉遊びを通して身につける「自己肯定感」

例えば、砂遊びが好きな子が「理想のどろんこ玉」をなんとか形づくろうとしているとしましょう。

泥が上手く固まらないというつまづきに出会い、水の量を調整してみようとか、そもそもの玉の大きさを変えてみようとか、上手くできているお友達に聞いてみようとか。たくさんの考えを巡らせて挑戦するでしょう。

「理想のどろんこ玉を作りたい!!」という純粋な欲求や願いには、沢山の「非認知能力」を育むチャンスが伴ってきます。自分の理想とするどろんこ玉を作ることに夢中になることは、無意識に思考をめぐらせ、自分を探索している活動とも言えるでしょう。

子どもたちは、自分のしたい遊びに本気であればあるほど「創意工夫」「自分の気持ちのコントロール」を自然と行うことになります。

遊びのおわり、なんとか自分の作りたかったどろんこ玉に近づけたとき「やったぁ」と目が輝き、目指していたことに近づき達成する喜びを味わうことは「自己肯定感」へと繋がります。

非認知能力を育てる「大人の心がけ」

お絵描きをする親子
非認知能力を育てる「大人の心がけ」

このような、「好きな遊び」からはじまる自然な「非認知能力」の育み。

そこには安心安全と感じられる心のベースが必要で、「ママやパパ・幼稚園保育園の先生など関わる大人たち」がその役割を担います。

ママやパパの存在が子供にとって安心できる場所であることは言うまでもありません。

大人にとって大切な、ふたつの心がけ

「非認知能力」を意識したとき、大人にとって大切な心がけは、ふたつあります。

ひとつは「子どもはひとりひとり違うことを真に受け止めること」

もうひとつは「子どもと関わるときはフェアな気持ちで自分の生き方とこどもの生き方を肯定すること」です。

子育てをしていると、親は子どもを方向づけしたくなります。実際に管理しなければ健康や生活を守れない場合があるので、全て子どもの言う通りというわけにはいきません。

ただ、生活の中で子どもの「非認知能力」の育みのチャンスを逃さないためには、「ひとりひとり違っていい」という価値観を改めて確認し、その中で親子の触れ合いの機会を設けて、生き方をお互い尊重することが大切です。

子どもの育ちを見守る心

管理から自己決定へ。教えから学びへ。子どもがやりたいことを見守ってもらえる環境であるためには、一緒にいる大人に見守れる余裕があることは見逃されがちですが重要なことです。

ママやパパは自分のことに加えて沢山の家事育児をしています。また、お仕事をされている方もいるでしょう。

日々お忙しいのは重々承知なうえですが、どこかで時間を作れるなら、大人自身が「自分の好きなこと」を楽しめる時を大切にして、こどもの育ちや学びを見守れる心があるといいですね。

子どもの「好き」を肯定するための3つのこと

自転車に乗る女の子
子どもの「好き」を肯定するための3つのこと

「非認知能力」を養うために、子どもの「好き」や経験を尊重する。そのために役立つ3つのことをご紹介します。

非認知能力を養うために…〈1〉今を楽しめているか?

子どもは今どんなことに興味があって探索したいと思っているのか。それがコロコロ変わったとしても、それもまた子どもらしさ。

早期の習い事はメリットもありますが、本人に合わない場合はその分野に苦手意識を植え付けてしまうこともあります。
好きなことを思い切りやってみて! と見守るおおらかさも大事ですね。

非認知能力を養うために…〈2〉あなたはどう思う?

答えを先に提示してしまうのは簡単です。でも気づく・考えるチャンスを奪ってしまってはもったいない!

時間はかかるかもしれないけれど、子どもが自分で考えることを尊重しよう。そうすると早い段階から子ども自身に自力で考える力が育まれ、「わたしってどんな人だろう?」と考える機会が増えます。

じぶんで「自分」という人を見つけていけるようになり、それが将来のお子さんの幸福度へつながります。

同時に大人たちも自分の考えを俯瞰して捉えられるようになると面白いですね。

非認知能力を養うために…〈3〉大抵のことは結構大丈夫

ご飯は食べきらなきゃいけない。毎日九時までにはお布団に入れて絵本を読んであげなきゃいけない。先生にはあいさつしなきゃいけない。ずっと続くとまずいかな?と思うことがあるかもしれませんが、子どもたちにとって「ずっと同じ状態である」事ほど難しいことはないでしょう。

どんな出来事にも子どもなりの理由と意味はあります。その時の気持ちを捉えてあげるだけでも、「まぁ大丈夫か」と思えるかもしれません。

非認知能力の育て方ーまとめー

花畑で遊ぶ女の子

「非認知能力」をインターネットで検索すれば沢山の記事やページが出てきます。それほど日本の教育観点では関心があり、これからの日本に重要だと思われている分野です。ではそれを自分の家庭に活かすとなったら? どこまで考えればいいのでしょう。

「自己肯定感」も「粘り強さ」も「共感力」も「協調性」も「目標意識」も…。その全てを兼ね備えるようなパーフェクトな人を目指し始めると、途端に家庭が息苦しくなりますね。

「非認知能力」がどんなことがわかったなら、あとは肩の力を抜いて、今日という一日「今」という時間を存分に味わおう、くらいの心持ちでよいと思います。

今日は晴れだし公園に行こう。これが食べたい気分だから一緒に作ろう。疲れたし美味しい総菜を買い出しに行こう。一生懸命遊んでるし、ほっといてあげよう。その間に美味しいコーヒーでも淹れようかしら。

そんな「すぐ目の前にある生活」に既に「非認知能力」のヒントが沢山隠れていています。それは「非認知能力」とは何かを知ったから見えてくる景色です。

楽しそうなママやパパと過ごすことこそが、子どもたちにとって何よりの『宝もの』
それこそが「非認知能力」を培う良好な土壌だということを、どうか忘れないでいてほしいなと思います。

親子の素敵な毎日を応援しています

最後までご覧いただきありがとうございました。

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